はじめに
当院の眼瞼下垂のページには瞼の下がりに関する情報がかなり多く掲載されています。少し長いかとは思いますが、お顔に傷跡を作らずに治したい方はぜひお読みください。あなたがまだご存知なかった情報があると思います。
※皮のたるみが強く睫毛のはえぎわが見えないかたは「梶原アイクリニック 眉下切開」で検索しなおしてください。
眼瞼下垂
先に眼瞼下垂治療(裏からの手術)について読みたい方はこちら
治療を受けられた患者様の症例写真はこちら
眼瞼下垂(がんけんかすい)とは
上まぶたが充分に上がらず大きく黒目にかぶさり、視野を妨げている状態を言います。
自覚症状
●まぶたが重い上方の視野が狭く感じる(指で上瞼を引き上げると明るく・見やすくなる)
●目の奥が痛んだり疲れた感じがある
●いつも額に力を入れて眉を上げないと正面が見づらい
●眉の近辺が痛い
●首のつけねあたりや肩がこる
家族など周囲の人が気づく兆候
●眠そうな目をしているように見える(本人は眠くないにも関わらず)
●目の表情変化が乏しく、表情が読み取りづらい。
●正面を見る時にもおでこに力を入れて眉毛を上げている
●正面を見る時にも顎を上げ、顔をやや上に向けている
片側のみの眼瞼下垂は自他ともに気づかれやすいですが、左右両側に同じ程度の眼瞼下垂がおきていると、なかなか認識されません。
過去の私も含め、多くの方に知られていない重要な点をここに記載します。
多くの場合、眼瞼下垂は痛みを伴う疾患です。
まぶたが下がっていても痛みが出ていない患者様も多少はおられますが、少数派です。
上のほうの視界がまぶたで遮られると、眉を上げる、顎を上げるなどの行動による対処が知らず知らずのうちに行われ、進行すると視野の上のほうだけでなく真正面の物までも見づらくなり、おでこや顎上げでの対処が慢性的に続きます。この無意識の対処行動は、首と肩の筋肉にかなりの負担をかけ、痛みや肩こりの原因にもなります。
術前の患者さんは整体や鍼治療、市販の鎮痛薬を常用するなど、肩~首に対して様々な治療を延々と試みておられますが、まぶたの下がりを見逃されている場合、根本原因の治療に取り組まないかぎり、コリ・痛みへの効果は一時的で、決して治る事がありません。まぶたの下がりに心当たりがあってこのページを訪れられた方、頭部や首肩の痛みを抱えておられませんか?
ある程度進行した眼瞼下垂は慣れてくれば医療関係者でなくても、外見上すぐにわかります。眼瞼下垂がどんなものかという事を知っていただくには、写真を見ていただくのが最もわかりやすいでしょう。(ご本人の許可は頂いています)
瞼を開けようとしても目と眉の中間あたりの皮膚が引っ込むばかりで、筋肉の力が瞼に充分伝わっていません。腱膜性眼瞼下垂は、長い年月をかけてゆっくりと変化していくので、ご本人もご家族の方も中等度~重度まで進行しないとなかなか気づきません。
原因
上まぶたには上眼瞼挙筋という筋肉の末端が腱膜(膜状の腱)の形で付着しており、その筋肉が収縮する事で引き上げられています。
上眼瞼挙筋は動眼神経という神経を通じた脳からの命令によって動いています。よって上まぶたが充分に上がらないのは、脳ー神経-筋肉-腱膜-上まぶたというつながりの中のどこかに不具合があるという事です。
診断
普通に正面を見て、黒目の中央から2~3mm上方に上まぶたの縁が来ている人は眼瞼下垂の疑いがあります。まぶたの位置は正常なのに、皮膚のたるみによって視界が遮られる皮膚弛緩のケースも考慮に入れ、医師が見分ける必要があります。
眼瞼下垂の原因別の分類としては、まず生まれつきのもの(先天性眼瞼下垂)と、後から現れてくるもの(後天性)に分かれます。そしてそれぞれの中で神経系、筋肉、腱膜のうちどこにどのような異常があるかによって、別々の疾患となります。
そのどこかの異常を起こし得る疾患は眼科疾患のみならず非常に多岐にわたるため、頻度は少ないながらも特殊な疾患を見逃さないためにも、診察時にさまざまな項目をチェックせねばなりません。
眼瞼下垂の原因となりうる疾患は様々ありますが、もっとも一般的でよく見られるのは腱膜に原因のある眼瞼下垂です。これを腱膜性眼瞼下垂と言います。瞼を引き上げる筋肉の最終部分である腱膜が伸びてしまったり、一部脂肪変性してしまっている事で、筋肉までは正常に動いていても、筋肉の引く力がまぶたまで充分に伝わっていないのです。
白内障や緑内障の手術後に、潜在していた瞼の下りが顕著になってくる事もあります。これは自然経過で回復する場合もあるため、ある程度の期間は様子をみる事が重要です。
ハードコンタクトレンズと腱膜性眼瞼下垂
コンタクトレンズを長年使用しておられる方に腱膜性の眼瞼下垂が起きる場合があります。特にハードコンタクトのつけはずしの際に瞼を引っぱる事による刺激や、内側(結膜側)からコンタクトレンズが接触する慢性的な刺激が原因とも推測されています。
※使用者全員がそうなるわけではありません。
まぶたへの外的刺激と腱膜性眼瞼下垂
ハードコンタクトさえしなければ、瞼の腱が伸びる事は無いのでしょうか?2018年11月までに当院で行なった直近100件分の経結膜眼瞼下垂手術について、さかのぼって男女比を調べたところ、100件中96件が女性でした。男性の眼瞼下垂手術は4件(2名)のみ、つまり95%以上が女性です。200件分遡っても9割以上が女性でした。これは偶然などでは あ り え な い 、驚異的な男女比のかたよりですね。
世の中のハードコンタクト使用者は男女ともにそれなりにおられる事を考えますと、女性特有のまぶたへの慢性的負荷も原因の一つとなっている可能性がつよく疑われるでしょう。
洗顔は男女ともにする事なので、問題はお化粧を落とす時のクレンジングの摩擦にありそうだと言えます。まぶたをこするような行為には治療前も治療後も気をつけられてください。
当院での手術治療後の写真をお見せします。(ご本人の了解をいただいています。)
↑手術の直後とは思えないでしょう。(クリックで拡大できます)
↑2日目は最も腫れる時期です。目頭に内出血も出現していますが、抜糸に来られた8日目にはもう消えていました。(クリックで拡大できます)↓(同じかたの2ヶ月後)そもそも皮膚切開をしていないので当然ですが、まぶたに一切傷痕はありません。
※手術で得られる効果は人によって個人差がございます。
眼瞼下垂の治療(当院の手術法・外来予約法)へつづく
成人の眼瞼下垂の患者様のうち、多くの方が該当する腱膜性眼瞼下垂は手術によって治療が可能です。 入院の必要はなく、日帰り手術です。経結膜法では、手術した直後だとは思えない、隠す必要もない状態で公共交通機関でお帰りいただけます。
当院では腱膜性眼瞼下垂に対し、皮膚を切らずに治す手術治療を長年行っています(専門外来のため予約が必要です)。毎月(最近はほぼ毎週)かならず複数件の眼瞼下垂手術を行っており、この手術においては1月1日~3月31日まで三ヶ月分の手術件数を今年(2021年)と2019年で比較しますと、今年は(2019年と比べて)
2.2倍を超えたオペ件数
となっております。御礼申し上げます。
瞼内部の伸びてしまった部分を手術により切除・短縮する事で筋肉の力が瞼に伝わりやすくなり、まぶたが楽に上がるようになります。
次のページで詳述しますが、当院では皮膚側に切開を行わない、まぶたの裏側から切開する経結膜法を主に採用しております。そのため皮膚表面には縫い目や傷はできないため、術後に洗顔や洗髪が禁止される事はありません。
少量の皮下出血が現れてもお化粧でカバーでき、腫れの程度と持続期間が通常の皮膚切開での方法と比べると軽いです。しばらく顔から縫い糸が出てガーゼを顔に貼った状態で、仕事の休みも長くとる事が必要だったこれまでの方法よりも、患者様の身体的、精神的、社会的な負担をかなり軽減できました。患者様にとっての明快なメリットが多いですが、この手術方法で下垂治療を行なっている病院はきわめてまれです。
※当院の方法は切らない眼瞼下垂手術(糸で留めるだけの方法)とは異なります。
まぶたが下がってしまう前、その眼は光を反射し輝いていたはずです。あなたも、この病気を治してラクに開くまぶたと目の輝きを取り戻しましょう。自覚的にも他人からみても、あなたの目に入る光が増します。
その苦しみを、短期間に終わらせる技術がここにはあるのです。
眼瞼外来担当医より
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一重のかたは皮膚切除が必要な場合があります。自己判定はこちらのページへ
まず、下記のYoutube動画をご覧ください。手術映像などは出ませんのでご安心を。そののちに、このページ下方の説明事項にお進みください。
(動画)聞いて納得!! 医療最前線:眼瞼下垂について(約11分)
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ご注意
まぶたに関する診療は完全予約制(初診はおもに水木金土のみ。木曜日は近所の別クリニックで診療します。また、初診時にはまぶたが下がる前の昔の写真をご持参ください。お忘れの場合は治療へ進めない場合もございます(特に比較的若いかた)。また、ご来院前に■こちらの説明動画■を必ずご視聴ください。ご協力をよろしくお願いいたします。
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分岐点あり
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●眼瞼下垂の実際の治療法(当院の皮膚を切開しない、まぶた裏からの手術法)について
●一重の患者様、皮膚切開でたるみを切除する必要性の自己判定
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