梶原アイクリニック

甲状腺眼症・バセドウ眼症

福岡天神西通りの眼科
西鉄福岡駅より徒歩6分

当院のまぶた(甲状腺眼症)に関する診療は完全予約制(診察日は水曜・金曜のみ)となっております。受診希望の方はお電話(092-761-7949)にてご予約ください。ご予約のお電話は火曜日以外なら営業時間内は受け付けております。予約方法と新規受診可能日の詳細は■こちら■←をクリック

甲状腺眼症・バセドウ眼症

まぶたに関する診療をしていると、まぶたの下がりについてだけでなく、逆に上まぶたが過剰に上がり過ぎた状態でお悩みの方が時折来られます。これは上眼瞼後退と呼ばれる症状です。
まぶたが下がる眼瞼下垂に関しては、気付かず放置されている方も多いですが、眼球突出や上眼瞼後退状態はかなり人相が別人のごとく変わってしまいます。なぜなら眼球突出は純粋に前へ目が移動するだけでなく、わずかに外方へも眼球の移動が起き、右目と左目の距離が離れていく側面もあるため、他人からしばしば指摘を受けたり、鏡に映った自分が自分らしく思えなかったり、ご本人の苦しみも大きなものです。
 
しかし新しく出会った人からは、元からそういう目つきだったのだろうと認識されるため、なかなか理解されない疾患です。 
さらに患者様にとって難儀なのは、ほとんどの医療機関において経験が蓄積されていないためか、正しくこの疾患を疑い、検査・診断し、治療可能な病院を紹介するところまでできる施設さえもごく限られている事です。現に、眼科受診しても「ドライアイ」「アレルギー性結膜炎」と言われて目薬だけ出されて治りもせず、ずっと通うか諦めてしまうパターンに陥っている人が居ます。 
 

病気とは無関係に元から目が出ている人は確かに居ますが、過去にはそうでなかったのにここ数ヶ月~数年の単位で目が大きくなる方向へ変化してきたのなら、それは通常考えがたい異常なサインであり何らかの病気を疑うべきです。加齢だけでは目が大きくなる方向の変化は起こり得ませんので、歳のせいとは考えないでください。
病院を受診する際は、以前の顔(目の開き幅)との差異をわかってもらうため、このような状態になる前のご自分の顔写真を持参されたほうがよいでしょう。そうでなければ、初期〜中等症の段階でも他者からは病的な変化とは認識されない事がありえます。
 
もしあなたが最近目がギョロっとして目つきが変わってきたのであれば、原因として最も多いのは甲状腺疾患ですから、眼科受診より先に甲状腺の診療を専門に行う病院でチェックしてもらいましょう。近隣にそういった病院が無いなら、一般的な内科でも血液検査でおおよその判定は可能です。
自らの甲状腺を免疫系細胞が攻撃してしまうバセドウ病・橋本病などの自己免疫疾患である場合、そのような疾患に関連して起きてくる眼の多彩な病的変化は甲状腺眼症と呼ばれます。

甲状腺眼症とは

おおまかに説明すると、体内に自分自身の甲状腺組織を攻撃する自己抗体が出現している状況で、眼の周囲(まぶた・眼筋・脂肪など)に炎症が起こって腫れや充血が起き、視力や眼の動き、眼球の位置にまで異常をきたす状態です。
 

※写真はイメージです


 
眼症の症状としては、
●眼球が突出してくる
●まぶたが腫れる
●上まぶたが過剰に上がり、目の開きが大きくなる
●両目の映像が一致せず、物が2つにズレて見える(特に上方向を見たとき)
●下まぶたのまつ毛が目に当たるようになる
●寝ている間も目が完全には閉じていない。そのため起床時に目が痛く充血もする
●目の奥が痛いか圧迫感がある
●目の表面の異物感や乾き
●まぶしさに敏感になる
●視力の低下 視野が欠ける
 
などがあります。
※あまり知られておらず、重要な点は、実はこれらの症状の多くが異常な眼球の前方移動(突出)が原因となっており、眼球突出を軽減させる手術によって外見的な問題だけでなく多彩な症状がかなり軽減するという事です。

甲状腺疾患特有の全身症状は、甲状腺ホルモンの血中濃度に異常がある事によって出ますが、それと眼の症状は同時に起きるわけではありません。概念としてとっつきにくいところですが、自己抗体によって甲状腺が攻撃される病気と、目の周囲が攻撃される甲状腺眼症は別個の疾患と考えておかれたほうがよいでしょう。バセドウ病の治療をしているから甲状腺眼症のほうも安心、とはなりません。バセドウ病と診断されて治療がはじまった後、甲状腺ホルモンの数値が正常化して安定したにも関わらず眼の異常が出現したり、あるいは眼やまぶたの異常が先に出て、何年か後で甲状腺ホルモン値の異常が遅れて生じてくるケースもあります。
よって、甲状腺眼症が疑わしい症状があったとしても、甲状腺ホルモンの値はその時点では正常であるケースもあり、甲状腺を攻撃する自己抗体が出現していないかを血液検査で調べる事が有効なケースがあります。
 

治療

上記のように、同じ甲状腺眼症といっても異常の出る部位は多彩であり個人差が大きいため、必要となる治療も患者様によって異なります。ステロイドを比較的短期間に大量に点滴するステロイドパルス療法(原則、入院が必要)、眼周囲組織への放射線照射、ステロイドの瞼への局所注射、眼球突出を改善する眼窩減圧術、斜視に対する斜視手術やプリズム入り眼鏡処方、逆まつげや眼瞼の位置異常に対する眼瞼手術など様々な治療があり得ます。しかし全てを一つの病院でカバーする事はできず、上記の治療法のうちいくつかを行なっている病院があるだけですので、複数の専門家に受診する必要があります。そこがこの疾患の難しいところです。

当院でできる事

ケナコルト(トリアムシノロン)局所注射と眼瞼手術(上がりすぎた眼瞼の下降手術)、漢方薬の処方は可能ですが、ステロイドパルス療法放射線治療、眼の向きを改善する斜視手術、突出した眼球位置を後退させうる眼窩減圧術などはいずれも当クリニックにおいては実施できません。
しかしそれ以前にまずさきに大切なのは、そういった本格的治療へ進む必要があるのかどうかを判定する段階です。
そしてまた、それらの治療の必要性があるとしても、では実際にどこの病院がその治療を行なっていて、どの医師に診てもらうかが重要で、この通院先の選定が実は最難関かもしれません。

甲状腺眼症は炎症が激しく起きている時期と、その後に病状が固定化した時期では実施できる治療が異なるため、どの病期にあるのかの判定がまず必要で、そのために最も有用なのがMRI検査です。※造影剤の注入は原則必要ありません。

 
判断するには通常とは異なるMRI撮影法が必要であり、当院の予約制外来では他施設とも連携することでMRI検査を受けていただけるように手配可能です。そののち、パルス療法や手術などが適応になりそうであれば病状やお住まいの地域に応じて各専門領域の医師にご紹介する事が可能です。※眼窩減圧術まで進まれる場合はCT検査も求められる事があります。
 
甲状腺眼症に詳しい専門家は眼科医の中でも非常に数が少なく、紹介状無しで直接受診する事がなかなか難しい状況ですが、受診しやすい一般的な医院に行っても(この疾患とその治療は認知度が低いためか)、医師から「元々そういう目なんじゃないですか?」「内科の飲み薬を続けてれば目も治るんじゃないの?」「うちでは扱って無い」「治療法は無い」などと言われ紹介状ももらえず終わってしまう事もあるようです。これでは診断にも治療にもつながりませんね。
 
目の開きが大きくなり過ぎている方、最近眼が前に出てきたと感じられている方で、診断や専門家紹介を受けたいかたは、必ず過去の顔写真をご持参の上で当院の眼瞼外来をご予約ください。すでに内科で甲状腺疾患であると診断されている方は紹介状または血液検査データを必ずご持参ください。
 
 
↑眼窩減圧術が成功し喜んでおられる方の動画です。35秒と短いのでご覧ください。突出した眼球位置を改善する治療は存在するのです(※当院では実施できませんが、これまでに複数の紹介実績あり)。手術によって突出が改善するときは病状が進行する際とは逆に、目の前後位置のみでなく左右に目が離れた状態もいくぶん改善する事が多いです。
 
中等度から重症の甲状腺眼症の診断と治療は一人の医師のもとで完結するものでは無く、内分泌内科眼科放射線科など複数の科と病院が交互に患者さんに関わる必要があります。入院での治療もあり、看護師視能訓練士など医師以外の多職種の連携も欠かせません。 
ただどこにそんな輪があるのかは見えづらいものです。 

当予約制外来では、本来どの眼科でもできるはずの、甲状腺眼症の可能性を念頭に適切な総合病院等へ紹介するという事を行なっていますが、その総合病院でさえ(1施設では)この疾患の治療の一部分をカバーしているのみにとどまる事がほとんどです。 
どの病院で何の検査を受けて、その結果次第でステロイドパルス療法目的ならA総合病院へ紹介するか、あるいは眼球を後退させる手術の適応かどうか診てもらうためならB病院へ行っていただくか、どういう順序にするかなど、知識のある私たちでも悩むケースは多いです。そこに患者さんの通院可能な範囲の病院という地理的要素まで加わるとなおさらです。治療の部位や手段が広範囲の専門領域にまたがるため、この疾患の治療には患者さんの流れを交通整理するような医師が必要です。
当院は甲状腺関連疾患の専門的施設ではありませんが、眼瞼下垂を長年扱い、まぶたの位置を動かしてきた経験から、瞼に関する異常にはとても敏感です。しかしそれでもこの疾患においては過去のお写真は比較のため必要です。
もしあなたがこの疾患であれば、あるいはその可能性があると感じてらっしゃるなら、目薬だけの治療で治るものではありませんので、ご自身のためにもご家族のためにも、勇気を持って一歩を踏み出されてください。
あなたが専門家につながるための一助となれれば幸いです。

眼瞼や甲状腺眼症に関する診療は完全予約制となっております。当院へお電話でご予約ください。

甲状腺の病気に伴う目の症状、特に眼球の突出に関しては「治らない」などと言われて諦めておられる方も多いようですが、治療である程度改善が見込めるケースは多いですから、状態改善に向けて一歩踏み出したい方は、当院へお電話でご予約の上、ご相談ください。※もちろん受診前から甲状腺眼症だと確定している人はほぼおられませんから、なかなか治らない目の奥の痛みやまぶたの腫れなど、可能性の段階でも受診していただいて大丈夫です。新規受診可能日の詳細は■こちら■←をクリック

 

よくある甲状腺関連疾患について困り事

Q. 甲状腺の病気に詳しい内科医師はどう探せばいいですか?

A. 日本甲状腺学会に認定医名簿がありますので、そこから探されてはどうでしょう。他にも甲状腺関連の学会はありますので、認定医の名簿が載っている甲状腺関係の学会ならそのサイトから調べてみられてはいかがでしょうか。

Q. 眼球突出がひどいのですが甲状腺眼症に詳しい眼科はどこにありますか?

A. 難しい質問です。甲状腺専門の内科医も患者数の割に少ないですが、甲状腺眼症で主に問題となる眼窩を専門とする眼科医はさらにさらに少ないのが現状です。一人も居られない都道府県も多くあるでしょう。私が知る限り突出の手術的治療までカバーしておられる甲状腺眼症治療で有名な病院は下記の通りです。
(北海道) 手稲渓仁会病院
(東京) オリンピア眼科病院
(東京) 帝京大学医学部附属病院
(東京) オキュロフェイシャルクリニック東京
(群馬) 新前橋かしま眼科形成外科クリニック
(愛知) 愛知医科大学 眼形成・眼窩・涙道外科
(大阪) 大阪医科大学 眼科
(兵庫) 神戸海星病院
(兵庫) 兵庫医科大学病院 眼科
(大分) 野口病院
※専門外来を受診される場合は、予約や紹介状が必要な場合がありますので事前に病院に確認されてください。

Q. 私はバセドウ病があり、最近瞼が腫れて目が出てきてる感じなので近くの眼科にかかりましたが、「特に目に異常ありません」とだけ言われ、それ以上どこも紹介もしてもらえません。どうすればいいでしょうか?

A. 当院へご予約いただくか、内科の主治医の先生に相談されて、上記のような病院を紹介してもらうか、遠方のかたでしたら眼科は別のところへもあたってみましょう。すでに眼科は受診ずみだとお考えかもしれませんが、甲状腺眼症でおもに問題が生じる部位は眼球内部ではないので、同じ眼科医でも知識経験のばらつきが大きく、見立てが大きく異なる可能性があります。

(外部サイトへのリンク集)

(漫画)あたい、美人病になりました! いさやまもとこ著 ←バセドウ病と甲状腺眼症になった著者のつらさ、心の葛藤がとてもよく描かれています。※眼窩減圧術については出てきません。
TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」2018年6月8日(金)放送分 上記の漫画の著者いさやまもとこ氏と甲状腺専門医がラジオでバセドウ病について対談。今のところネットで聴けます。
特集:バセドウ病と目の病気←とても参考になるサイトです。
オリンピア眼科病院←リンク先の「よくある質問」のなかで甲状腺眼症についてわかりやすく解説されています。
ここをクリック←眼球突出を治療する減圧術の術前術後の画像検索結果です。(海外版)
甲状腺眼症がよくわかる本←医学に詳しくない方にもおすすめの参考書籍です。
 
余談ですが、当院は「甲状腺眼症 福岡」とか「バセドウ病 眼科 福岡」などで検索すると最上位に出ます。それはほとんどの眼科が甲状腺眼症に関して何もHPに記載していないためです。あとは最大規模の大学病院や医療センターなどでHP上の記載があるようですが、紹介状必須で敷居が高いと思われます。
では当院へは福岡の甲状腺専門の内科の先生方から、眼に関して症状を抱えた患者様のご紹介が何名あったでしょうか?
答えは0名です。当院へ甲状腺眼症疑いで受診されたのは、かかりつけの内科医からの紹介やすすめではなく、自らこの疾患を疑ってご自分でネットで調べて自発的に来院された患者さんのみでした。つまり甲状腺疾患の患者さんを多く抱えている専門の内科の先生は、甲状腺眼症について相談できる眼科を別ですでにしっかり確保されているのでしょうか?
 

 
 
甲状腺関連の眼病には禁煙が最も重要です。副流煙さえも目の症状悪化の一因となります。

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